ちょっと寝苦しい季節になりました。
皆さんはいつも何時間くらい眠ってますか?
就寝時間と起床時間は決まってますか?
今回は、睡眠に関わるあれこれを書きたいと思います。
睡眠不足で肥満?心臓発作?様々なリスク
睡眠不足が続くと意識はあっても脳震盪のような状態になってしまう事があります。(もしもそんな状態で自覚なく車の運転をしたら?危険ですよね。)
睡眠不足が原因で心臓発作やその原因の高血圧を引き起こす事も。
睡眠不足が続くと、ストレス反応により交感神経系が活発になり続けてしまう。心拍数が収まらない状態が続く(通常の緊張状態の瞬間だと数分~数時間で収まる)
ストレスホルモンのコルチゾールが出ます。このコルチゾールが血管を収縮させて血圧の高い状態が続きます。
また睡眠不足のために成長ホルモンが減ってしまい本来なら行われる血管内部の血管壁の修復が行われず血管がボロボロになってしまい高血圧も合わさって血管が破れて心臓発作や脳卒中を招くリスクが高まってしまうのです。
睡眠不足によってストレス状態になりコルチゾールが増大すると血糖値が高くなります
血糖値を下げるインスリンの効きが悪くなり血液中の糖が高い状態になる、耐糖機能障害→つまり糖尿病リスクが高まるわけです。
インスリンは筋肉や脂肪に糖を振り分けたりして血中の糖を下げてくれるのですが、
ある実験で一週間睡眠不足の状態を作ったら、睡眠不足の人の細胞はインスリンに反応しなくなったなんていう結果もあったりします。
睡眠不足になると食欲をコントロールするホルモンのバランスが崩れてしまいます。
空腹を感じるグレリンが増大し、満腹と感じるレプチンは減少してしまいます。
睡眠不足だと太りやすくなってしまいます。睡眠不足の翌日以降にも食欲に影響があるので大変です。
他にもウツ病や自律神経失調症など様々な病を引き起こす原因のひとつとも言われています。(なので生活習慣病は食や運動やストレスだけでなく睡眠も整える必要があるのです)
起床と就寝を決めるカラダの仕組み
私達の起床と就寝の時間を決めるのは2つ
◆概日リズム(サーカディアンリズム)
◆睡眠圧
概日リズムは、体内時計と聞くと《ああ~》と思う人は多いでしょう。
実は人の体内時計は24時間よりも多いので少しづつズレてきてしまうのですが、日光を浴びる事でリセット(海外で時差ボケを直すのにも日光を浴びて散歩とか)
それは脳の視交叉上核という場所が反応して全身に朝が来たと判断し代謝や体温が上がったり体の各部が活発になったりする指令が出る。
ちなみに人は起きてから14~16時間後に睡眠物質メラトニンが出始めて2時間後にピークを迎えて就寝とか(ご年輩が14時間で若い人が16時間、若い人が夜更かし、ご年輩が早寝も納得)
次に睡眠圧について、簡単にいうと
起きている時間が長ければ長い程と眠りたい欲求が高まる仕組み
身体の起きて使用したエネルギーの燃えカスである睡眠物質アデノシンが溜まって眠りたい欲求が高まっていきます、これが睡眠圧といいます。
そして眠ると充分リセットできて朝を迎えます。
※なので昼寝をし過ぎて夜に眠れなくなるのは、昼寝でアデノシンが減ってしまい睡眠圧が下がってしまったからなのです。
概日リズムと睡眠圧の組み合わせがきちんとしていると睡眠が安定します。
何時間寝るのが良いの???
アメリカでは8時間、日本では7時間が推奨されています。
しかしながら個人差個体差があるので、何ともですが7時間以上は間違い無さそうです。
アメリカでは、先ほどのアデノシンが完全にリセットされるのに8時間掛かるという点から8時間を推奨しているようです。
睡眠不足の原因は脳内にアデノシンが溜まっているからです。
寝るのが遅いと朝になっても脳内にアデノシンがリセットし切れず残っています。
そんな夜更かしを毎日続けたらアデノシンがどんどん積み上ってしまいます。
減らし切れない、返し切れない、だから《睡眠負債》と言われてるんです。
その睡眠負債が溜まっていく事で、慢性的な疲労感や最初に挙げた健康リスクを招いてしまうのです。
ちなみにある実験で、睡眠不足でパフォーマンスが落ちた状態にした人に、その後3日間好きなだけ寝ても良いという事にしてから調べたら、毎日8時間睡眠を続けている人のレベルには至らなかったという、やはりそういう意味でも《睡眠負債》と言える事です。なのでアスリートだけでなく一般人も大事な日がある場合、睡眠時間や就寝起床をかなり以前から整える必要があります。
レム睡眠?ノンレム睡眠?
人の眠りには大きく分けてレム睡眠とノンレム睡眠から構成されています。
レム睡眠は脳が活発に働いて記憶の整理や定着させている睡眠状態で、眼球がピクピクと急速に動くので、そういう名前が付けられました(rapid eye movement, REM)
ノンレム睡眠は文字通りレム睡眠じゃない深い睡眠の状態で、レム睡眠で受け取った記憶とすでにある情報を合体させていたり、大脳が休息している状態で、脳や身体の回復のために重要だと言われています。ノンレム睡眠の深さは4段階あるといわれています。
どちらも大切ではあります。
レム睡眠~ノンレム睡眠の周期は90分周期とも言われていますが、近年の研究では最初が90分周期で徐々に短い周期になって朝を迎えると言われています。
寝ている間に分泌される成長ホルモンの約80%が入眠3時間で分泌とも言われている。
週末の寝貯めは、良くない
週末にたっぷり睡眠時間を取るのは一見良さそうに思えますが、概日リズムや睡眠のリズムを崩してしまいます。月曜に体調が悪いマンデーブルーの原因とも言われています。
睡眠の質を上げたり整えるには
まず
●起床時間を週末を含めて固定して、起床後に日光を浴びる(概日リズムを整える)
また早寝早起きと昔から言われていますが、私の場合《早起き早寝》すると整いやすいです(早起きすれば、おのずとその晩は眠くなるから。昼寝無しで)
●朝食をしっかり食べる 乳製品・大豆製品。肉魚。炭水化物、食物繊維
睡眠に関係深いメラトニンは、朝に朝食で取ったトリプトファンがセロトニンになって夜にメラトニンになるからです。
●夜、お風呂に浸かる
人は中核温度が1度下がると温度を把握している細胞が視交叉上核へメモを送ります。するとメラトニンの分泌を促します。
そこで寝る前にお風呂で一時的に体温を上げる事で、上記した事を促進させるのです。なので眠る90分くらい前に入浴すると良いでしょう。
私はリラックスしてより副交感神経を優位にするために半身浴をしたりします。
珈琲好きな人は午後3時か4時までに
私も珈琲は大好きで飲まない日は無いくらいなのですが
カフェインが完全に抜けるまでに8時間掛かる。
なので、3時か4時以降はカフェインを取らないようにしてます。
ちなみにカフェインが眠気に打ち勝てる理由は、先に挙げたアデノシン(眠たいよー)を遮断してくれるからです。
睡眠が整っている人は健康にも美容にも良い状態
クローバー整体でお客様からコンディショニングについて質問されると、食事・睡眠・運動・ストレスなどの話をしますが、直近のコンディショニングですと睡眠の重要性をよく話します。
睡眠を高める施術や自分で押せるツボ
お客様から睡眠の質を上げたいとご相談を受けますと
●身体の疲れ・凝りを取り除く
●ストレッチで副交感神経が優位にリラックスした状態にする
●ヘッドマッサージでさらに緊張を取り除く
●足裏リフレクソロジーで血流を上げて、夜の熱放射が上手くいくようにする
●眠りに関係するツボを組み合わせて押す
一例ですが眠りに関係するツボと言えば
失眠
労宮
百会
足の三里
昨夜は何時間寝れましたか?
夏バテや様々な事に負けないためにも良い睡眠を